皆さんはどんな色がお好きですか?冬になるとチョコレートが美味しい季節になりますが、今回はみんな大好きブラウン(茶色)の話!ポイントをおさえれば、誰でも自分好みのブラウン(茶色)が作れますよ!
この記事の目次
<ブラウン(茶色)について>
<どう作ればいいの?>
<注意点>
<まとめ>
<ブラウン(茶色)について>
ブラウン(茶色)ってどんな色?
まずブラウン(茶色)とは自然界に多く見られる、赤味がかった黄色から黒味がかった黄色までの範囲の色を指します。(アースカラーの1つ)
木々の幹、土、コーヒー、チョコレート、外壁や家具など身近で親しみやすい色として人気があります。
ブラウン(茶色)の特徴
ブラウン(茶色)の特徴としては、
・暖色系と寒色系の両方の要素を持つ:赤味が強いブラウン(茶色)は暖色系、黒味が強いブラウン(茶色)は寒色系に近くなります。
・落ち着きや温かみを感じさせる:自然の色(アースカラー)であることから、安心感やリラックス効果が期待できます。
・様々な色との合わせやすさ:ベーシックな色なので、他の色とコーディネートもしやすい利点があります。
色名はここを見ると面白い
ブラウン(茶色)に限らず、色にはその色をイメージしやすいようなワードが含まれています。
「日本の伝統色(和名)」でいえば
・栗色(くりいろ):暗い灰みの黄赤(栗の実の皮の色から名付けられた色)
・鳶色(とびいろ):暗い黄味の赤(とびの羽のような色。江戸時代から色名として慣用されている色)
・団十郎茶(だんじゅうろうちゃ):くすんだ黄赤(歌舞伎役者の初代市川団十郎から代々の団十郎が狂言の衣装に用いた色。弁柄と柿渋で染めた茶色)
「洋名」でいえば
ライトブラウン(明るい茶色)、ダークブラウン(暗い茶色)、ディ―プブラウン(濃い茶色)、ペールブラウン(薄い茶色)、ナチュラルブラウン(自然な茶色)、レトロブラウン(回帰的な茶色)
「番外編」
・ベージュ:明るい灰味の赤味を帯びた黄(未漂白、未染色の羊毛の色が由来)
・キャメル:くすんだ赤味の黄(ラクダの体毛の色。和名は駱駝色)
・アイボリー:黄味のうすい灰黄(象牙の色)
またココアブラウン:暗い灰味の黄赤(ココアのような色)やコーヒーブラウン:暗い赤味の黄(コーヒーのような色)、チョコレート:ごく暗い黄赤(チョコレートのような色)などその物ズバリな名前もあり面白いですね。
ブラウン(茶色)の豆知識
ブラウン(茶色)の心理的効果に「落ち着き」「安心感」「温かみ」「素朴」などがあります。特にインテリアやファッションの業界では重要視されます。また反対色は青色で意図的に活用することがあります。反対色は調色時には相殺色ともいい、混ぜると黒に近くなるため、こちらも意図的に活用すると面白いテクニックです。
<どう作ればいいの?>
実例を紹介
さて、では実際のところ「どうやったら理想のブラウン(茶色)が作れるの?」と思いますよね?実は簡単です!それは基本的にはブラウン(茶色)は赤(レッド)、黄(イエロー)、黒(ブラック)、白(ホワイト)、の4色で構成されているからです。厳密にいうと、プロが使う原色は各色ごとに様々な特性(種類)があるのですが、今回はわかりやすく大まかな形でご説明します。上記の色のイメージを参考に4色の中からベースとなる色を多く配合していきます。(赤味のブラウンなら赤を多く、黄味のブラウンなら黄色を多く、暗いブラウンなら黒を多く、など)
よりイメージしやすいように以下をご参考ください。
日塗工(マンセル値)による配合例
日本塗料工業会発行の色サンプル「日塗工(マンセル値)」を参考に見てみましょう!
・ホワイト(54%)
・レッド(23%)
・イエロー(17%)
・ブラック(6%)
=合計100%
※ポイントは半分以上をホワイトが占めている点。
中彩色の特徴でもあります。
・レッド(43%)
・イエロー(26%)
・ブラック(19%)
・ホワイト(12%)
=合計100%
※ポイントは黄茶色のイメージどおりイエローはやや多めに入れていくこと。また濃彩色のため、ホワイトは少なめで濃さのバランスを整えることです。
・レッド(62%)
・ブラック(16%)
・ホワイト(15%)
・イエロー(7%)
=合計100%
※ポイントは赤茶色のイメージどおりレッドを多めに入れること。ただし、レッドの明るさをブラックで落しつつ、ホワイトで濃さのバランスをとっていくとです。
・レッド(51%)
・ブラック(24%)
・ホワイト(23%)
・イエロー(2%)
=合計100%
※ポイントは③の色よりも彩度が低いためブラックをやや多めに入れていくこと。そしてブラックを入れて明度が下がるのをやや多めのホワイトでバランスとることです。
<注意点>
こんな点にも注意
ただし、1つ注意点があります。それは色を作るにあたりイメージは大切なのですが、顔料には色のつきやすさがあります。とくに黒、白を入れる際には気を付けましょう!参考:(赤<黄<白<黒)
<まとめ>
今回のまとめ
いかがでしたか?皆さんの好きなブラウン(茶色)は作れそうですか?ポイントをおさえておけば誰でも簡単にオンリーワンのブラウン(茶色)が作れちゃいますよ!ちなみに個人的にはゴールドブラウンが大好きです。リクエストがあれば、ほかの色の作り方もお話できたらと思います。
[記事を書いた吉田裕志について]
吉田裕志(よしだ ひろし) B型 職人気質
有限会社レインボーペイント代表取締役
調色歴20年、国家資格である単一等級調色技能士、一級塗装技能士を持ち、
今でも調色に情熱を注ぐ
座右の銘 「背中の汚れは調色マンの恥だ」